LPガスとは
LPガスとは、「Liquidfied Petroleum Gas」つまり液化石油ガスの略称で、一般的に頭文字をとってLPガスと呼ばれています。
LPガスは、炭素と水素のかごうぶつで、炭素数3のプロパン(C3H8)と炭素数4のブタン(C4H10)と2種類があります。
一般家庭用で使われているのはプロパンで、プロパンガスとも呼ばれています。
LPガスは、容積が小さい液体の状態で貯蔵・配送され、使用時には気体で消費されます。たとえばプロパン10kgが気化すると約4.82㎥となります。
気体のLPガスを液化するには、プロパンの場合常圧で-42℃(ブタンの場合-2℃)に冷やすか、常温で0.8~0.9MPa(8~9kg/㎠)ブタンの場合0.2~0.3MPa(2~3kg/㎠)の圧力を加えます。
使用上の留意点
LPガスが液体から機体になると、体積は約250倍に増加します。また、ガス漏れすると空気より重いので床面などの低いところに滞留します。そのため、LPガスのガス漏れ警報器は部屋の低いところに設置してあります。
灯油とは
油田などから掘り出した物とそれを加工した物を石油「種々の炭化水素の混合物を主成分とする液状の物質」と呼びます。
一般的に掘り出した直ぐの物は「原油」と言いますし、加工後は灯油やガソリンなど諸々の名前で呼ばれ、「原油を精製した物」が石油と呼ばれるようになりました。
油田から掘り出して精製した「石油」の中には様々な成分が入っており、そのままでは使いにくいので蒸留などで成分を分離させて使うのが現在では一般的です。
その石油から分離させて作る製品の中にあるのが「灯油」と「ガソリン」になります。
この二つは成分の違いなど色々な物があるのですが、実用の際の違いは引火点と着火点の二つです。
ガソリンの引火点は−40℃と非常に低く揮発性も非常に高いです。この引火点というのは「この温度でも火を近づければ燃える」という数字になります。逆に灯油は着火点(自然発火する温度)がガソリンよりも低く代わりに引火点が高く、また揮発性も低い傾向にあります。
つまりガソリンは火がつきやすいのでエンジンの動力として使いやすく、灯油は常温でも燃えにくい上に取り扱いも簡単なので家庭での燃料(家庭用の灯油でJlS規格における1号灯油に当たります)としてよく使われています。
北海道の灯油事情と定期配送システム
北海道の住宅街を歩くと、家の外に何やら長四角い物体を見かけたことはないでしょうか。
大きさは150cm×80cm×50cmくらい。長さ85cmほどの足が4本ついていて、液体か何かを保存しておくように見えます。これが、実は490Lの灯油タンクなのです。
北海道の居間には大きなストーブがあり、これで部屋全体を暖めます。20畳ほどのスペースを1台で暖める大きなストーブには、屋外の490Lのタンクから直接灯油が引き込まれるので、ポリタンクから給油する手間がかかりません。ストーブや床暖房のほかにお風呂の給湯にも灯油が使われるので、外の灯油タンクは冬だけでなく、一年中活躍します。
この灯油タンクは、何故490Lという半端な数字なのかというと、この量を超えると消防法の基準で防油堤という大きな囲いが必要となるためです。このため、家庭用は490Lという、なんとも中途半端な量のタンクとなるわけです。
灯油タンクの上には灯油の量がわかる目盛りがついていて、今タンクにはどのくらいの灯油が残っているかがひと目でわかります。
ほとんどの家が、どこかしらの灯油屋さんと契約していて、町を循環している灯油配達車が、契約している家のタンクに勝手に灯油を入れていき(毎月決まった日に入れる場合もある)、実際にタンクに入った灯油の金額が後からご請求される、という灯油定期配送システムがほとんどです。